以前からTVで何度か中村勘三郎のインタビューを聞き、チャンスがあったらぜひ舞台をと思っていたが、ようやくチケットを取ることができ、念願の初歌舞伎だ。
昨晩、というか今朝のバーレーン戦で朝帰りではあったが、その後昼までたっぷりと寝て16:30からの舞台に照準を合わせる。


場所は赤坂ACTシアター。4月にこけら落としで『トゥーランドット』が行われた新しい小屋だ。
歌舞伎座ではなく赤坂の最新の劇場を選んだというのが何とも新しいことに挑戦する勘三郎らしい。
さて、記念すべき初歌舞伎の題目は二つ。『孤狸狐狸ばなし』と『棒しばり』。
『孤狸狐狸ばなし』は初心者にも分かりやすい喜劇。それでいてストーリーがどんでん返しの連続。歌舞伎がこんな分かりやすく面白いものだとは思っていなかった。
『棒しばり』は勘三郎の息子、勘太郎と七之助による舞踊中心の短い演劇。へえー、こういうのもあるんだって感じ。
小学校か中学校の時に歌舞伎座で観た歌舞伎教室のあまり良くないイメージがずっとあって、なかなか歌舞伎に行く気にならなかったが、
勘三郎のおかげでまた新たな世界を知ってしまった。
観客はお年寄りがかなり多いけど、勘三郎の力なのだろう。若い人も結構いた。
勘三郎のような伝統芸能の世界にいながらその良さを決して失わず、新しいことにチャレンジして時代を切り拓いていく人っていうのは本当に凄い人だと思う。
今回の席は2階の後ろから二番目の席だったので役者の表情は全く見えなかったけど、イヤホンガイド(ラジオの解説付き)を聞きながら観劇したので
あらすじがよく分かって良かった。でも解説しない時のノイズがずっと気になって、音を上げ下げするのが非常に面倒だった。
セリフや音楽を両耳でしっかり聞き逃さずにいたかったなあとも思ったが、それはまた次回ということで…。
最近、歳を取ったからだろう、日本の昔から伝わるものって良いなあって思うようになってきた。
じいさんになっても、歌舞伎を観た後においしい蕎麦屋で一杯飲む。そんな贅沢な時を刻んでみたいと思う。
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